2010年5月28日金曜日

2月26日 難聴の患者さん。

外来泌尿器科の診察室での事である。最初の穏やかな声が次第に大きくなり、やがてあたり一面に轟くに至って私の耳にも届いて来たのである。医師と看護師がしきりに患者に話しかけているのだが、何度も同じ話で進展がみられない。患者の妻であろうか、医師の言葉を夫に伝えてはいるのだが、ラチがあかない。仕舞には喧嘩ごしである。従って言葉も荒くなる。どうやらその患者は高齢から来る難聴らしい。『アノゥー、この人耳が遠いんですわー』弁解の妻らしき女性の声である。
どうも補聴器もしていない様だ。ご不自由だろうと思っていたのだが・・・・

夜半の手洗いからの帰室途中、寝静まった病室のライトが灯っていたので、カーテンの隙間から覗うと以前診察室で見たアノ耳の遠いお爺さんらしき人と若い看護師さんが何やら話しているのだが・・・、要領が得られないらしく何度も聞き返しているのである。寝静まった夜半の事なので、大きい声も憚れるのか仕舞に看護師さんマスクを外してお爺さんの耳元で囁くのである。当然お爺さんに看護師さんの胸が覆いかぶさるらしく、其の度にライトに照らされてたお爺さんの顔も頬も、緩むのである。当然このお爺さんイヤホン無しの大音量でTV観賞ですが、憚る事無くものともしません。第一誰も注意もしません。でも奥さんの声だけは聞こえる様です。病院生活の一コマです。

0 件のコメント:

コメントを投稿