2010年5月12日水曜日

癌戦争 癌は如何にして生き抜いてきたか 

(続々)【 食事で癌が?そんなんで効くんか?】続き
桃栗3年柿8年癌の実19年と以前のプログで言ったが、その根拠は1個の癌細胞が無事生き延びて100日経つと満を得てやおら細胞分裂するのである。100日毎分裂するから1年弱で8ヶ、2年弱で64ヶ・・・野放しならば約9年で幅1cmとなる。野放しと言うのは免疫系の完全消滅や機能不全及び癌細胞が自然死しない場合であるから、臨床的に診て癌と確認できるには通常19年位が相場であるらしい。明らかに黴菌やウイルスが進入した場合は大貧食能を有した好中球と呼ばれる部隊が前線に赴く。問題は自己から発生した裏切り分子、遺伝子が変異した癌の処分である。遺伝子(DNA)が変異すればそれはもう立派な自己では無い筈だが。単純に戦闘を開始するのは、NKキラーと呼ばれる細胞だけなのである。このNKキラーの機能は青年期に最も高く40歳代で半減し70歳では著しく低くなる。また癌に対して免疫も出来る事も解っているが、NKキラーの詳しい存在は未知のままである様だ。さて、肝心のT細胞部隊はと言えば、只傍観しているだけなのである。何故なのか?癌が変装して味方軍に成済ましT細胞から逃走するからである。

移植された臓器などでは自己識別マーカーHLAと言うラベルが自動的に貼られるので、キラーT細胞はこのラベルを持つ組織を攻撃するのであるが、癌はこのラベルを無断で取り去ってしまうのである。或いは特異的な癌細胞での癌抗原(癌の目印)は多糖質で組成されていて、ラベルが元々貼れ無いのである。ラベルが貼れるのは癌抗原がタンパク質である事が前提条件なのである。
以上なる理由からであるが、結論的に言えば自己破壊を防止する為に3重の安全キーを備えた訳である。キラーT細胞攻撃も何処かの国の核も同じ様な安全策があったのである。
疑わしきは罰せず等と何処かで聞いたセリフの様である。
3重の安全キーとは、攻撃する細胞(選手)、許可する細胞(コミッショナー)、停止(レフリー)させる細胞と3つの同意を必要としますので、キラーT細胞に癌を退治して貰うのはなかなか容易ではありません。キラーT細胞が暴走すれば、肉も骨も溶け亡くなってしまうでしょう。
この様な事から、現時点では、予防的、健康的目的なら兎も角、免疫、食餌療法とかで癌を消滅させるとかは大変困難では無いかと私は考えていますが・・・・
食餌、免疫療法を開始される方はせめて、白血球数とかリンパ数を治療前後に比較管理したいものであります。そもそも、私の様に既に免疫が標準数にあれば、どうでしょう・・・・

HLA:白血球と血小板に存在する抗原=HLA(Human Leukocyte Antigen)で、名もそこに由来してます。細胞のレベルで自分と他人(自己と非自己)を見分けるHLAは赤血球よりずっと複雑で、一致するのは一卵性双生児ぐらいだといわれるほどです。
(赤十字血液センター引用)

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