2010年5月2日日曜日

2月15日前立腺癌 颯子よ、もっと、踏んづけておくれ。


この出だしで解った人は今や死語となったが昔は文学青年だったに間違いないでせう。
手術前夜、昔に読んだ谷潤の瘋癲(ふうてん)日記が蘇ってきた。
不能ニナッテモ在ル種ノ性生活ハアルノダ。(訳:インポでもそれなりのHは出来るのものだ)

70を超え、生に対しては執着はないが、性に対しては死後も女の足を舐めていたいと言う男のキモイ執念を描いた谷崎潤一郎の【瘋癲日記】の一節である。死因は腎不全と心不全が原因と伝えられているが、38歳の時の作品【痴人の愛】では早くも前立腺癌を予感させる異常さが窺える。
手術後変態にならざるを得ないのか?谷崎に対して一種憧憬と尊敬が交差した複雑な想いに駆られる。一方で、非文学(野獣の如く)性の期待、との綱引が開始されたのである。想いもよらぬ心の葛藤である。前立腺癌で亡くなった映画監督の心情がシミジミ染み込んで往く。今、この病院からトンズラすれば、解き放たれるのだが・・・、死を覚悟せねばなら無いだろう・・・・・・・。手術は明日なのである。

記録【桃色吐息】

0 件のコメント:

コメントを投稿